自宅で眠っている掛軸は売れる?各掛軸の買取相場や買取前に確認したいことを解説


- 高価買取ができる掛軸の種類を知りたい方
- 掛軸を売却するまでの流れが知りたい方
- 掛軸の買取り方法と決め方が知りたい方
掛軸は旅館や古民家、などで飾られていることのある美術品で、日本の伝統美術として高い評価を受けています。また、保存状態や作者によっては高額で取引されることがある美術品のひとつです。
近年は掛軸がオークションサイトなどでも売買されていることもありますが、適正価格で買取をするには買取業者に依頼することが大切です。また、買取業者を正しく選定することも高価買取のコツとなっています。
本記事では、ご自宅に眠っている掛軸の種類や買取相場、買取前に確認すべきポイントを詳しく解説します。大切な掛軸を適正に評価し、納得のいく取引を行うための参考にしてください。
掛軸の種類
掛軸は、日本の伝統的な美術品であり、室内装飾として使われてきました。 その種類は多岐にわたり、それぞれが独自の魅力と価値を持っています。まずは、代表的な掛軸の種類とその特徴をご紹介します。
山水画
山水画は、山や川などの自然風景を描いた作品が多く、中国が起源となっています。墨の濃淡を駆使した水墨画として描かれており、東洋絵画の三大ジャンルにもなっている有名なジャンルです。
山水画の作品は鑑賞者に静寂や深遠さを感じさせます。日本では、室町時代の画家雪舟の作品が高く評価されています。彼の代表作である『天橋立図』は、日本三景の一つである天橋立の景観を鳥瞰的に描いた大作で、その重厚な筆致と卓越した画面構成力が特徴です。
また、鎌倉時代から室町時代にかけて伝わった中国の画家牧谿(もっけい)の作品も高く評価されています。牧谿の代表作品である観音猿鶴図は、観音菩薩、猿、鶴を組み合わせた独特の構成が特徴です。
水墨画
墨一色で描かれる水墨画は、墨の濃淡やにじみを利用して、深みのある表現を追求します。 日本の水墨画も「にじみ・ぼかし」を多用しており、優しい雰囲気が特徴です。 一方、中国の水墨画は線がはっきりとして明瞭で、力強い印象を与えます。
日本の代表的な水墨画家には、室町時代の雪舟が挙げられます。雪船の『秋冬山水図』は、秋と冬の山水を描いた二幅対の作品で、その技法の粋を集めたものとされています。
花鳥画
花鳥画は、四季折々の花や鳥を中心に、昆虫や小動物なども描かれ作品が多くあります。 自然の美しさや生命の躍動感を表現し、美術性のみならず面白さも重視した作品が多いことから、高い人気を誇っています。
江戸時代の画家である伊藤若冲の作品であり「南天雄鶏図」は、たわわに実をつけた南天の木を背景に軍鶏を描いた作品です。南天と軍鶏のトサカの赤、軍鶏の体の黒、菊の白、小禽の黄色と、色の対比が美しいとされています。
神仏画
神仏画は、仏像や菩薩像、観音像や地蔵像などの仏教画や、八仙や太上老君などの道教画があります。 神仏画の画題は、日本人の信仰心や敬虔さを反映しており、掛け軸の中でも格式が高いと言われています。
日本の代表的な神仏画家には、室町時代の快慶(かいけい)が挙げられます。快慶の『阿弥陀如来像』は、穏やかな表情と優雅な姿勢で知られています。また、中国の神仏画家としては、明代の李在が知られています。また、快慶の『琴高乗鯉図』も、仙人が鯉に乗る姿を描いた作品で、その独特の世界観が特徴なことで有名です。
人物画
歴史上の人物や伝説上の英雄、庶民の生活風景など、人間を主題とした作品です。 その時代の文化や社会背景を知る手がかりとなることから、美術的価値だけでなく、歴史的資料としての価値も持ちます。
日本の代表的な人物画家には、江戸時代の菱川師宣(ひしかわもろのぶ)が挙げられます。菱川師宣の『見返り美人図』は、振り返る美人の姿を描いた作品で、浮世絵の先駆けとして知られています。また、中国の人物画家としては、清代の任伯年(じんい)が知られています。任伯年の『蘇武牧羊図』は、漢の忠臣蘇武が羊を牧する姿を描いた作品で、その繊細な筆致が評価されています。
書画
書画は、詩や教訓などの言葉をしたためた書の掛け軸です。 禅宗に関連して茶道の茶会、茶室に掛けられることが多く、作者は禅僧または茶人による書となります。 また、明治期以降の政治家や学者、偉人、芸術家などの作品も多く残されています。
日本の代表的な書家には、茶人の千利休が挙げられます。彼の『一期一会』は、茶道の精神を象徴する言葉として知られています。また、中国の書家としては、清代の鄧石如(とうせきじょ)がが有名です。鄧石如の作品は、力強さと優雅さを兼ね備えた作品として評価されています。
中国掛軸
中国の掛軸は中国で生まれた掛軸の総称で、「詩画一如」「書画同源」という考え方から、詩と絵画が一体となった作品が多くあります。
文人画が主流で、絹や紙に墨一色で描かれた水墨画が多くを占めます。 文人にとっての山水画とは、単なる風景画ではなく、彼らが理想とした、俗世間を離れた理想郷を表したものでした。
しかし、中国は2007年から中国の中国国家文物曲は、1911年以前に生まれた中国画やその他美術品を海外に持ち出すことを禁じています。日本で買取を行える中国掛軸は1911年以降の作品であることを踏まえて、作品を探しましょう。
買取価格を左右する!掛軸の買取検討時の確認事項
掛軸は日本の伝統的な美術品であり、適切に保存されている場合、高い価値を持つことがあります。ご自宅やご実家に掛軸が眠っている場合、その価値を見極め、適切に買取を依頼することで、思わぬ高額査定を受けることができるかもしれません。
付属品(箱・栞など)が揃っているか
掛軸の買取は、共箱や栞、証紙などの付属品が揃っていると、真贋の証明になることや、保存状態が良いと判断され、査定額が上がる傾向があります。
特に共箱は真作証明の役割を果たし、鑑定時に重要視されます。外箱や収納袋なども付属しているとさらに高評価に。付属品がない場合でも買取は可能ですが、査定額が下がる可能性があるため、付属品はできるだけ揃えておきましょう。
掛軸の保存状態
掛軸の買取を検討する際、付属品の有無は査定額に大きな影響を与えます。 作品の保存状態が良好であると評価され、高額査定につながる可能性が高まります。
シミや汚れの有無:シミや汚れが少ないほど高評価となります。
破れや折れの有無:破損がないことが望ましいです。
虫食いの有無:虫食いがあると評価が下がる可能性があります。
保管時は桐箱に防虫シートを入れて保管しましょう。防虫香を入れるのもおすすめです。付属品が欠けている場合は、専門家に作品の真贋鑑定や詳細情報を問い合わせると良いでしょう。
有名作家の作品は高価買取が期待できる
著名な作家の作品は、美術市場で高い需要があり、高額で取引される傾向にあります。有名作品は国内外で高い評価を受けており、オークションで高額落札が続いていることから、高価買取が期待できるでしょう。
可能な場合は入手経路や時期を調べると安心
作品の入手経路や購入時期を把握しておくことは、買取時の信頼性向上につながります。 作品の来歴が明確であるほど、真贋の確認や価値の評価が容易になり、査定額にも良い影響を与えます。
遺品の掛軸の場合でも、購入証明書や過去の展示履歴がある場合は、それらの情報を提供することで、買取業者からの信頼を得やすくなります。
銀座蔵やでも買取実績あり!高価買取が期待できる掛軸の作者
特定の作品や著名な作者の掛軸は、高額で取引される傾向があります。ここからは、高価買取が期待できる主な作者とその作品を紹介します。
司馬江漢の作品
江戸時代中期の洋風画家である司馬江漢は、日本における西洋画法の先駆者として知られています。 彼の作品は希少性が高く、美術市場でも高い評価を受けています。 銀座蔵やでは、司馬江漢の掛軸が10万円程度で買取された実績があります。
尾形光琳の作品
琳派を代表する絵師である尾形光琳は、装飾性豊かな作品で知られています。 彼の掛軸は美術愛好家から高い評価を受けており、銀座蔵やでは2万円で買取した実績があります。
葛飾北斎の作品
浮世絵師として世界的に有名な葛飾北斎の作品は、その芸術性から高額で取引されています。 銀座蔵やでは、北斎の掛軸を80,000円で買取した実績があります。
呉昌碩の作品
中国の近代書画家である呉昌碩の作品は、その力強い筆致と独特の作風で評価されています。 彼の掛軸は国際的にも高い評価を受けており、銀座蔵やでも高価買取の対象となっています。
斉白石の作品
中国の近代絵画を代表する斉白石の作品は、そのユニークなスタイルで知られています。 斉白石の掛軸はコレクターからの需要が高いことから、高額査定が期待できます。
斉白石の掛軸は20万円〜400万円で買取されることがあります。
于右任の作品
中国の書家や政治家でもあった于右任の作品は、その独特の書風で多くの人々に愛されています。 彼の掛軸は美術市場で高い評価を受けており、多くの買取業者で積極的に買取を行っています。
于右任の掛軸の買取価格は30〜80万円になることもあるため、高価買取をしたい方にもおすすめです。
掛軸を買取するまでの流れ
ここからは、掛軸の売却を検討されている方に向けて、一般的な買取手順をご紹介します。以下の手順を参考に、スムーズな取引を目指しましょう。
事前リサーチでやるべきこと
まずは、掛軸の買取を検討する際、事前のリサーチを行いましょう。適切な査定方法を調べつつ真贋鑑定を行い、信頼できる買取業者の選定を行うことで、満足のいく取引が可能となります。
先述のとおり、掛軸の査定額は、作品の作者、保存状態、市場での需要など、さまざまな要素によって決定されます。また、作品の真贋鑑定は、適正な価格での取引を行うために不可欠です。
さらに、買取業者の選定は取引の安全性と満足度に直結します。複数の業者に査定を依頼して相見積もりをとって買取を行うのがおすすめです。買取業者の実績や評判を確認することも信頼性の判断材料となります。
買取査定で来店するのがおっくうに感じる方は、LINEやメールなどで見積もりを出せる買取業者を探すのもおすすめです。LINEやメールで作品や証明書、付属品の写真を送ることで概算の見積もりを出してもらうことができます。
買取方法の種類と決め方
掛軸の買取方法には、主に以下の3つがあります。
・店頭買取: 直接店舗に掛軸を持ち込み、その場で査定を受ける方法です。 即時に査定額が提示され、納得すればその場で現金を受け取ることができます。 銀座蔵やでは、予約なしでの持ち込み査定が可能。経験豊富なバイヤーが丁寧に対応します。
・出張買取: 大量の掛軸や持ち運びが難しい場合、専門のバイヤーが自宅まで訪問し、査定を行う方法です。 銀座蔵やでは、出張費用や査定料は無料で、事前に問い合わせフォームや電話で申し込むと、希望の日時に専門のバイヤーがご自宅へ伺います。
・宅配買取: 掛軸を宅配便で業者に送り、査定を受ける方法です。 手軽に利用できますが、発送時の梱包や送料の確認が必要です。
上記の方法を参考に、自身の状況や掛軸の状態に合わせて最適な方法を選びましょう。
買取金額の受取は即日支払いか銀行振込がおすすめ
買取金額の受取方法として、即日支払いと銀行振込があります。 即日支払いは、その場で現金を受け取ることができ、迅速な取引を希望する場合に適しています。
一方、銀行振込は、取引の記録が残るため、後日の確認が容易であり、特に高額な取引の場合に安心です。いずれの方法を選択する場合でも、信頼できる買取業者と取引を行うことが重要です。
大切な掛軸の買取は実績多数の銀座蔵やへ
本記事では掛軸の買取を検討する方にとって役立つ、掛軸の種類や高価買取されやすくするための保管方法にくわえて、高価買取されやすい掛軸の作者の情報などを紹介しました。
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