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ナポレオンとは?ブランデーの等級と買取価値を徹底解説

2025.11.10
ウィスキー

この記事を書いた人

銀座蔵や スタッフ

青木 優
YU AOKI

査定経験:約10年
得意ジャンル:ブランド品など全ジャンル
趣味:骨董品収集・古物相場の動向リサーチ

ブランド品の鑑定を得意としながらも、骨董品収集という趣味を通じて培った幅広い知識と、古物市場の動向を常にリサーチする探究心で、ジャンルに縛られない多様な品物の価値を正確に見極めます。

ブランド品の鑑定を得意としながらも、骨董品収集という趣味を通じて培った幅広い知識と、古物市場の動向を常にリサーチする探究心で、ジャンルに縛られない多様な品物の価値を正確に見極めます。

ブランデーの中でも「ナポレオン」は高級酒として知られ、買取市場でも人気が高いジャンルです。
「ナポレオン」は贈答品やコレクターズアイテムとしても価値があります。

特にカミュやヘネシー、レミーマルタンといった有名ブランドのナポレオンは、未開封・良好な保存状態であれば高額買取が期待できます。

本記事では、ブランデーのナポレオンとは何か、なぜ高く売れるのか、そして高価買取のポイントまで徹底解説します。
自宅に眠る1本が、思わぬ資産になるかもしれませんね。

ブランデーとは

日本では、余りなじみがなく日常的に飲む人があまりいないブランデー。ブランデーとは何なのか疑問に思いますよね。そこでブランデーについて解説します。

ブランデーとは、ワインを蒸留させたお酒のことで途中まではワインと同じ製造過程をたどります。ワインとはブドウやリンゴなどの果実の糖分を酵母で発酵させ、アルコールを含む液体(ワインやサイダー)を作ります。この発酵液をさらに蒸留し、樽で熟成させることで完成します。蒸留の過程では、アルコールは水よりも沸点が低いため、先に蒸発して集めることができ、高濃度のアルコールが得られます。この工程により、まろやかで深みのある香りや味わいが生まれます。

ワインのアルコール度数は10〜15%程度なのに対し、ブランデーは蒸留することで35〜60%くらいの高アルコールになり、ワインに対して数倍のアルコール度数になります。

ちなみに日本酒のアルコール度数は、一般的に15度前後なので、ブランデーはもっと強烈に濃いお酒となります。
そのため、食後酒としてお菓子やデザートと共に楽しむことが多く、少量でも満足感のある飲み物とされています。

消費量で見ると、ブランデーはヨーロッパで特に多く飲まれており、フランス、スペイン、ドイツなどが中心です。
これらの国々では、家庭やバーでストレートやカクテルとして楽しまれることが多く、食後酒としての文化が定着しています。
ヨーロッパでは日常的に飲まれるお酒である一方、日本では高級感や特別感が強く、バーや贈答用としての認知度が高いのが特徴です。

世界の高級三大ブランデー

世界の三大ブランデーは、「コニャック」「アルマニャック」「カルヴァドス」です。しかしこの三大ブランデーは世界のブランデー生産量のごく一部にすぎません。
世界中で生産されているブランデーの中でも、これらは特に厳しい製法や原産地の規定に基づいて造られており、少量ながら品質の高さと希少性で高く評価される、まさに“高級ブランデーの象徴”とされています。

コニャック(Cognac)

フランス南西部、コニャック地方で生産されるブランデーです。

コニャックブランデーの原料はぶどうです。具体的には、フランスのコニャック地方で栽培された特定の白ぶどう(主にユニ・ブラン)が使われています。
コニャックは二度蒸留され、オーク樽で熟成されます。

アルマニャック(Armagnac)

コニャック地方の南、ガスコーニュ地方で生産されるブランデーで、コニャックよりも歴史が古いです。フランス南西部・ガスコーニュ地方で栽培されるブドウ品種(ユニ・ブラン、コロンバール、フォル・ブランシュなど)が使われます。コニャックのように二度蒸留することはなく単式蒸留器で一度だけ蒸留するのが伝統です。

カルヴァドス(Calvados)

フランス北西部、ノルマンディー地方で生産されるブランデーで、コニャックやアルマニャックがぶどうを原料にするのに対してリンゴ(またはリンゴと洋ナシ)を原料としています。
単式または連続式蒸留で抽出したアルコールをオーク樽で熟成させます。

ナポレオンとは? ブランデー等級の一つ

ブランデーには熟成期間によって主に以下4つの等級に分かれ、ナポレオンとは上級ブランデーを指します。

名称年数
VS(Very Special)最低2年以上若くフルーティーで軽めの味わい。
VSOP(Very Superior Old Pale)最低4〜5年香りとコクが増し、バランスの良い中級品。
XO(Extra Old)最低10年非常にまろやかで深みのある香り、上級品。
ナポレオン / Hors d’Age10年以上まろやかで豊かな香り、高級ラインの位置づけ

樽での熟成期間が長いブランデーほど一般的に値段は高くなる傾向にあります。

この等級の名前は見てもらえば分かるように、熟成期間を表しているにすぎません。「Very Special(VS)」やその上となる「Very Superior Old Pale(VSOP)」などがり10年以上の熟成期間のブランデーをナポレオンと呼ばれます。
日本では「ナポレオン」という名称から特別にすごいものだと思われがちですが、実際には熟成期間を示すラベルのひとつに過ぎません。

樽で寝かせる期間が長くなるほど管理コストが増え、蒸発による減量も発生します。
樽での熟成期間が長いほどアルコールの角が取れ、樽の香りや色素が酒に移り、味わいはまろやかになり複雑になるとされます。
また熟成期間が長いほど量が限られるため希少性が増し高級品とされます。
10年以上樽で熟成させたナポレオンブランデーよりもさらに長く熟成させたブランデーも存在し、希少性と価格が高まります。

日本では、ブランデーとして最も有名なのはナポレオンですが、実際に最も多く飲まれているのはVSOPです。
ナポレオンは長期熟成で高価なため、日常的に手軽に楽しむには少し手が出しにくい存在となっています。
それでも、日本では「ブランデー=ナポレオン」というイメージが定着しており、特別な場や贈答用としての価値が強く印象づけられています。

ナポレオンの価値はどう決まる? 高く売るポイント

自宅に眠るナポレオンのブランデー。
ナポレオンとはブランデーのとうきゅのうちの一つで10年以上樽で熟成させたブランデーの上級ブランデーを指します。
日本ではバーや贈答品としても人気。

有名メーカーのナポレオン

そんなナポレオンブランデーも複数の有名ブランドが製造しています。
カミュ(CAMUS)、ヘネシー(Hennessy)、レミーマルタン(Rémy Martin)、シャボー(Chabot)、クルボアジェ(Courvoisier)、ポールジロー(Paul Giraud)などが代表例です。
同じナポレオンでも、ブランドによって香りや味わい、希少性に差があり、特に輸入量が少ないブランドや限定品は高価買取になりやすいです。

【大規模ブランド】

〇ヘネシー(Hennessy):1765年創業のフランス・コニャックの世界的ブランドで、コニャック市場で40%のシェアを持つ。

〇レミーマルタン(Rémy Martin):フランス・コニャック地方に1724年創業

【中規模ブランド】

〇カミュ(CAMUS):フランス・コニャック地方に1863年創業のコニャックブランデー。

〇クルボアジェ(Courvoisier):フランス・コニャック地方の老舗ブランドで、1809年創業

【小規模ブランド】

〇シャボー(Chabot):フランス西部ボルドー近郊に1828年に創業したコニャック・ブランデーブランド

〇ポールジロー(Paul Giraud):1800年代後半創業のフランス・コニャック地方の小規模生産ブランド

世界的なブランドから小規模の希少ブランドまで幅広く、大手ほど量産・安定供給、少人数経営ブランドほど希少性と個性が強いという違いがあります。

保存状態

次に、保存状態も価値に直結します。
未開封であることはもちろん、直射日光や高温多湿を避けた環境で保管されているかが査定ポイントです。
開封済みの場合は液量やラベルの状態によって査定額が下がることがあります。
また、古い年代物や限定ボトルは、希少性の高さから通常のナポレオンよりも高額で取引されることがあります。

限定ビンテージ品

特定の年代に作られたヴィンテージ品や、数量限定で発売された限定ボトルのブランデーは、市場にほとんど流通していません。
そのため希少価値が極めて高く、コレクターや愛好家の間では高額で取引されます。

特に長期熟成されたナポレオンやXOクラスの限定品は、ボトルデザインや製造年、蒸留所の歴史的背景などが評価され、定価の数倍、場合によっては数十倍の価格で売買されることもあります。
以前は数万円だったのに今では数十万円になっている可能性もあるかもしれません。


こうしたヴィンテージブランデーは、単なる酒類というよりも「芸術品」や「投資対象」として扱われることが多く、オークション市場では数十万円から数百万円に達することも珍しくありません。
特に状態の良い未開封ボトルや、製造年が明確なもの、ラベル・箱付きの完品はプレミアがつきやすく、希少性と保存状態が価格に大きく影響します。


そのため、古いブランデーを持っている場合は、「ただの古酒」ではなく「高額買取の可能性がある資産」として専門店に査定を依頼する価値があります。

賞味期限はない

ブランデーはアルコール度数が比較的高く、35〜60%ほどあります。
そのため、未開封であれば長期保存しても品質がほとんど変化せず、10年、20年経っても安心して飲むことができます。
これは、アルコールそのものに強い防腐作用があるためで、微生物が繁殖せず、腐敗の心配がほとんどないからです。

一般的に、アルコール度数が約20%以上あるお酒は賞味期限がないと考えられています。
理由は、アルコールが防腐効果を持つため、微生物が繁殖せず腐敗しないからです。
ブランデー委が恁麼ウイスキーやブランデー、ウォッカ、ジンなどの蒸留酒はこの条件を満たしており、未開封であればほぼ無期限で保存可能。

一方、ワインや日本酒、ビールのようにアルコール度数が10〜15%程度のお酒は、防腐効果が弱く、酸化や微生物の影響を受けやすいため、賞味期限が設定されています。

開封済みのブランデーも可

ブランデーは開封後でも実は買取が可能です。
ブランデーは開封すると空気に触れるため、長期間放置すると酸化が進み、香りや味わいが徐々に変化していきます。
保存する際は直射日光や高温多湿の場所を避け、冷暗所でボトルを立てて保管するのが理想的です。
また、空気に触れることで液量が少しずつ蒸発する「天使の分け前」と呼ばれる現象も起こるため、液量が減ると風味の変化がより早まります。

未開封品と比べると査定額は下がることが多いです。
理由は、開封後は液量の減少や酸化による風味の変化、ラベルやキャップの状態などが評価に影響するからです。

特にナポレオンやVSOPなど高級ブランドの場合は、開封済みでもブランド力や希少性によって買取対象になり、状態が良ければ一定の価格で売却できます。
日常用の一般的なブランデーは、未開封品の方が高額査定になりやすいですが、開封済みでも価値がゼロになるわけではありません。

過去に頂いたブランデーを査定へ

今ではブランデーを飲む方は限られたイメージがありますが、昭和から平成初期にかけて贈答用として非常に人気がありました。
企業同士のお歳暮やお中元、退職祝い、上司や取引先へのお礼の品として。

その大きな理由としてはブランデーは高アルコールのため賞味期限もなくそのまま保存でき、他の食品系の贈答品よりも保存できるのでもらっても困らないというのがあったからです。

しかし当時から日本人にはブランデーを普段から飲む習慣はなく、またしかも、ボトルデザインが豪華で見栄えがよく飾っても映えるために、飲まずに飾ったまま、または押し入れにしまい込んだままという家庭が多いのが実情です。

だから今でも、押し入れや飾り棚の奥に“眠っているブランデー”が意外と多いんです。
是非お父さんがしまってあるブランデーを査定に出してみてはいかがでしょうか。

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