竹鶴ピュアモルトの買取相場上昇! その理由とは
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銀座蔵や スタッフ
- 青木 優
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趣味:骨董品収集・古物相場の動向リサーチ
ニッカウィスキーから販売され、現在では販売終了となっている「竹鶴ピュアモルト」の買取相場が上昇しています。
過去の販売された「竹鶴ピュアモルト」の買取相場が上昇しているのは、販売終了となったことだけが原因ではありません。
「竹鶴」の買取相場が上がっている理由をまとめました。
「竹鶴ピュアモルト」をもらったから保存していたけど売ってもいいと思う方、好きで買ったけど高値だから売ってしまいたい方に朗報となっています。
「竹鶴ピュアモルト」とは
「竹鶴ピュアモルト」とは、1934年に創業されたニッカウィスキーから発売された日本を代表するウィスキー。創業者の竹鶴政孝氏の名前に由来しています。
「竹鶴ピュアモルト」とは2000年に「竹鶴12年ピュアモルト」として誕生し、原酒は12年以上木製の樽で熟成さたウィスキーです。
年号表示のない「竹鶴ピュアモルト」としても2013年から2020年3月31日まで販売されていました。
「竹鶴ピュアモルト」は、ウイスキーの国際的コンテストである「ワールド・ウイスキー・アワード2023」(以下、WWA)において、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を受賞。
今回の受賞は、竹鶴ブランドとしては10回目にあたり、その品質と国際的評価の高さを改めて示すものとなりました。こうした受賞歴は、竹鶴ブランドの名声を国内外で確固たるものにし、ジャパニーズウイスキー全体の評価向上にも大きく寄与しています。
「竹鶴ピュアモルト」の価格
ウィスキーは、アルコール度数が高く、発酵や熟成は終わっているため微生物が繁殖できないため、ウィスキーには賞味期限はありません。
結果として、「竹鶴ピュアモルト」は、現在の市場では非常に高い買取相場を誇り、特に未開封の状態や旧ボトルは、プレミア価格がついています。
「竹鶴ピュアモルト」の現行の価格とプレミアム品の価格推移を調べてみました。
現行品の価格
現行品のピュアモルトは現在は700mlのボトルで7,000円程度で販売されています。発売当時は2,500円程度でしたが今では3倍近くの価格となっています。
物価は毎年上がっていますが、「ピュアモルト」は約3倍近くの値上がりとなっているのです。
この値上がりは、ジャパニーズウイスキー全体の人気の高まりや原材料費・製造コストの上昇、さらに輸入需要の増加などが影響しています。
現行品の「ピュアモルト」は、主にネット通販や、酒専門店などで置かれており普通に困難なく入手可能です。
プレミアム品のAmazonでの推移

プレミアム品となった「竹鶴ピュアモルト」販売当初は比較的手に取りやすい価格帯で提供され価格が2,500円程度。
2024年5月時にはなんと16,380円の価格の推移となっており約7倍程度の価格となっております。
この価格推移は、単なる市場価格の変動だけでなく、竹鶴ピュアモルトが持つ希少性やブランド力、国際的な評価が反映された結果と言えます。
過去に販売された「竹鶴ピュアモルト」の買取相場が上がる5つの理由
プレミアム品「竹鶴ピュアモルト」の買取相場が上がる3つの理由をまとめました。
竹鶴12年が終売になった

「竹鶴12年」は、ニッカウヰスキーの代表的なピュアモルトウイスキーで、2000年に発売され2014年に販売が終了しました。
『12年』という数字は、原酒を樽で最低12年間熟成させたことを示しており、その長期熟成によって豊かでまろやかな香りと深い味わいが生まれています。熟成によって、ウイスキーは香りや味わいがまろやかになり、余韻も長くなるため、多くの愛好家から高い評価を受けました。
ボトルやキャップには、画像の左側のように「12」と年数が記載されてあります。
12年の他にも、竹鶴シリーズには17年、21年、25年、さらには35年といった長期熟成のウイスキーがラインナップされていてそれぞれが熟成による豊かな香りと深い味わいを持っています。
こうした長期熟成ボトルは、熟成年数が増すごとに希少性が高まり、限られた量しか市場に出回らず、2020年3月末をもって販売が終了しており、現在では新品の入手が非常に困難な状態となっています。
そのため、過去の販売価格や希少性を背景に、オークションや専門ショップでは高値で取引されることが多く、年数が長いボトルほど市場価値も上昇しています。
旧ボトルが終売になった

竹鶴の買取相場が特に上がっているのはピュアモルト660mlの角ボルト形状の旧ボトルです。
以前の規格・デザインで作られたもので、現行の竹鶴ピュアモルトとは形状やラベルの細部が異なります。コレクターやウイスキー愛好家の間では、希少性や歴史的価値が高く評価されるため、買取価格も高めに設定される傾向があります。
現行品の竹鶴ピュアモルトのボトルは丸型になっており買取相場が上がっておりますが、旧ボトルの方が高く買取り可能です。
物価上昇
ニッカウイスキーに限らず、お酒類の大幅の値上げにより相場高騰!特にウィスキーや日本酒での値上がりが顕著。
原材料費や輸送費、人件費の上昇、さらには円安や世界的な原材料不足などの影響もあって、価格上昇が顕著に見られます。
2024年4月の価格改定では、ウィスキーを多く手掛けるサントリーの主要ウイスキー銘柄で希望小売価格が最大125%(約2.25倍)値上げされた例もあります。
サントリーのウィスキーで特に値上がりが顕著だったウィスキーは以下の通りです。
| 銘柄 | 旧価格 | 現在の価格 |
| 響30年 | 16万 | 36万 |
| 山崎25年 | 16万 | 36万 |
| 白州25年 | 16万 | 36万 |
響、山崎、白洲などの有名ウィスキーが近年なんと2倍以上の価格に値上がりしているのです。
このような大幅な値上げは、単に価格だけでなく市場全体の流通量や購入動向にも影響を与え、プレミアム品や人気銘柄の品薄状態をさらに加速させています。
NHK朝ドラ「マッサン」で描かれた竹鶴氏の生涯
ニッカウィスキー創業者竹鶴政孝氏は、NHK朝の連続ドラマでも主人公として描かれています。
竹鶴政孝氏を主人公としたNHK朝の連続ドラマ「マッサン」は、2014年下期に放送され視聴率は21.1%を記録しました。
戦前の日本、スコットランド留学中に日本に本格的なウィスキーを造る夢を抱きます。スコットランドで出会った妻リタとともに二人三脚でニッカウィスキー設立を目指す姿を描いた作品。
NHK朝の連ドラの影響力は国内だけにとどまりません。NHKワールドなどで世界向けに放送され、世界のウィスキー愛好家に注目される契機になったと言えるでしょう。
普段ウィスキーを飲んだことがない主婦層にも「マッサン」のドラマは影響を与え、ちょっとウィスキーを飲んで見ようかなというきにさせてくれた作品にもなっています。
ジャパニーズウィスキーが金賞受賞
竹鶴ブランドは、イギリスで行われるウイスキーの国際的コンテスト「ワールド・ウイスキー・アワード」(以下、WWA)において、「ワールド・ベスト・ブレンデッドモルトウイスキー」を10回の最高賞を受賞しています。
また、蒸留酒の品評会ISC(International Spirits Challenge)、アメリカ・サンフランシスコで毎年開催される国際蒸留酒コンペSFWSC(San Francisco World Spirits Competition)でも金賞を受賞しています。
竹鶴だけでなく、サントリウィスキーの「山崎」「白洲」も、WWAや、ISC、SFWSCで金賞を受賞し、ジャパニーズウィスキーの海外での評価が高まったことも原因です。
竹鶴ピュアモルトの歴史
「竹鶴ピュアモルト」はどんなウイスキーなのか知るためにウィスキーの条件や竹鶴氏の生涯についてまとめました。竹鶴氏の生涯を詳しく知りたい方は朝の連ドラ「マッサン」をおすすめします!
ウィスキーとは
ウィスキー発祥の国はご存じでしょうか? ウィスキー発祥の地は一般的には アイルランド と スコットランド のどちらかとされています。
ウィスキーと他のお酒との違いをまとめました。「ウィスキー」は他のお酒と違い、以下の条件を満たす頃でウィスキーと呼ばれます。
- 原料に大麦、トウモロコシ、ライ麦などの穀類を使用していること
- 穀物を糖化・発酵・蒸留を経て造られること
- 木製の樽で熟成させること
ウィスキーは蒸留酒の中の1つで、ブランデー、ラム、ジン、ウィスキー、ジンなどが含まれます。
他の蒸留酒との違いは、原料と蒸留後の熟成方法などに違いがあります。
竹鶴の歴史
日本のウィスキー発祥は初代ニッカウィスキー創業者の竹鶴政孝氏。竹鶴氏自身は広島県生まれでで酒造業・製塩業を営む竹鶴家に生まれています。
竹鶴氏は1920年代にスコットランドに留学してウィスキーを学びます。ウィスキーには、澄んだ空気、豊かな水源などがそろった場所が必要で、日本各地を巡り、探し求めた末に辿り着いた北海道の余市に余市蒸溜所を造りました。
余一市に工場を作るにはいくつかのメリットがありました。
- 北海道は、ウィスキーの原料のなる大麦の産地である
- 石狩平野では麦芽を乾燥させるピート(草炭)や燃料となる石炭が採れたこと
- スコットランドのような気候と澄んだ空気、豊かな水源などがそろった
更に、1969年「余市と異なる蒸溜所で生まれたモルト原酒をブレンドし、より味わい深く豊かなウイスキーをつくりたい」。竹鶴政孝の夢の続きを実現するために宮城峡蒸溜所を設立されました。
「竹鶴ピュアモルト」は、北海道の余市蒸溜所と宮城峡蒸溜所で作られたモルト原酒をブレンドして作られたウィスキーだったのです。