金と金メッキの見分け方|刻印の読み方と買取価格の違いを徹底解説
この記事を書いた人
銀座蔵や スタッフ
- 青木 優
- YU AOKI
査定経験:約10年
得意ジャンル:ブランド品など全ジャンル
趣味:骨董品収集・古物相場の動向リサーチ
「これ、本当に金なのか、それとも金メッキなのか分からない・・・」と迷うことはありませんか?
特にアクセサリーや古いジュエリーの場合、刻印や見た目だけでは判断が難しく、買取店に持ち込むのも不安になりがちです。
しかし安心してください!
買取店では、金メッキ製品も買い取ってくれる場合が増えています。もちろん、買取価格は本物の金に比べると低めですが、捨ててしまうよりは現金化できるメリットもありますし、本物の金なのかメッキなのか知っておくだけでも価値があります。
この記事では、金か金メッキかを見分ける方法や、金メッキの買取事情、注意点について詳しく解説します。
金製品の価値を最大限に活かすために、ぜひ参考にしてください。
金メッキとは
金と金メッキの違いについて解説します。
金メッキとは

金メッキとは、真鍮などの他の金属の表面に、薄く金をコーティングし見た目を本物の金のように見せる装飾のことです。
金メッキ商品の表面に薄くコーティングされた金は本物の金ですが、しかしその金の厚みは0.1〜2ミクロン程度。
これは髪の毛の髪の毛の1/50〜1/1000ほどの非常に薄い金となります。
金属は酸化しにくいことから下地の金属が空気や水に触れず、腐食しにくくなる、錆防止などにも有効です。
しかし長年使用すると剥がれることがあり、コーディングした金属が薄ければ薄いほどはがれやすくなります。
宝飾品に使われている場合は非常に薄いため数カ月や数年で擦れや摩耗によりはがれ始めることがあります。
金メッキは装飾用と工業用に分かれ、装飾用はジュエリー、アクセサリー、時計、眼鏡、仏具などに使用されます。
工業用にも使われ他の金属に薄く塗ることでさびや変色を防いだり、金の電気を非常に通しやすい性質から、スマートフォン、コンピューター、半導体部品などの電子部品に広く使用されます。
金とは
金とは元素記号ではAuとあらわされます。
金は地球で自然につくられたのではなく宇宙で生まれた元素です。
科学的には巨大な星が寿命を迎えて爆発する超新星爆発や密度の高い中性子星同士の合体で生成されたと考えられています。
星同士の爆発や合体によってできた金が地球が誕生するさいに金を含んで取り込まれたとされています。
金は地球上で存在量が少なく重いために地球の中心核に沈みやすく採掘には非常の労力が必要でした。金を採掘できる場所は限られているため採掘量も限られています。
金は、やわらかく可塑性があり、「叩けば伸びる」性質があります。
酸化しにくく腐食にも強いために貴金属として価値を認められ装飾品や貨幣、宝飾品などに利用されてきました。
世界3代金山は以下の通りで、19世紀末から20世紀にかけて大量に採掘されました。
1位:南アフリカ共和国 – ウィットウォーターズランド金鉱
2位:アメリカ合衆国 – カリフォルニアゴールドラッシュ
3位:オーストラリア – バルゴールゴールドフィールド
現在では南アフリカ共和国 – ウィットウォーターズランド鉱山や、中国山西省・遼寧省の金鉱山、オーストラリアのオーストラリア – カリジニ鉱山、バララット鉱山などが産出国になっています。
国内最大の金山は「佐渡金山」
現在の日本では金を発掘できる山はほとんどありませんが、過去には国内にもいくつかの鉱脈があり、中でも佐渡金山が一番大きな金山として有名です。
佐渡金山は江戸時代初期に本格的な採掘が始まり、江戸時代初期〜明治時代には約38トン〜41トンの金が採掘されたとされています。
しかし現代のような機械設備があるわけではなく坑夫たちがツルハシやカマなどの手作業で過酷な肉体労働により金鉱山を掘り出し、その金は江戸幕府に献上され国家財政や貨幣制度に大きく貢献しました。
金山採掘の過酷な労働の様子は、現在は博物館となった「佐渡金山」の跡地で見ることができます。
金とメッキの見分け方
日本で販売される金の場合は、「貴金属の品質表示に関する法律」により、消費者が金の純度を確認できるように、ジュエリーなどには刻印で純度を表示することが義務とされています。
ジュエリーやアクセサリーには、金がどのくらい含まれているかを示す刻印が施されており、購入者はそれによって本物の金かどうかを確認することができます。
金の純度は24分率で表され、100%な純金を24カラットとして他の金属の交ぜ具合により22K、18K、 14K・・・・・と表示されます。
例えば、18Kは金75%と銀や銅など25%の合金で構成されています。
金の延べ棒や金貨の場合は純金で作られるため24カラット、金箔も純金となります。
アクセサリーには24Kの純金もあり高価とされますが、金は非常に柔らかく加工しやすい金属であるために日常のアクセサリーとしては変形しやすく傷つきやすいという面もあります。
そこでほとんどのアクセサリーは合金して強度を補強されたものが大半です。
刻印の場所は、指輪であればリングの内側、ネックレスであれば留め金部分などに刻印されています。
日本での販売では本物の金には刻印を義務付けられていますが、海外輸入品では刻印がない本物の金製品が存在する場合もあります。
欧米やアジアの一部では、日本のように純度表示を義務付けていない国もあるからです。

金メッキ製品の場合、刻印には『GP』『GF』『HGE』などの文字があり以下のような意味になります。
〇GP=Gold Plated:金を薄くメッキしている製品。厚みは非常に薄い(0.1〜2μm程度)。
〇GF=Gold Filled:金をしっかり圧着したメッキ。GPより厚めで耐久性が高い。
〇HGE=Heavy Gold Electroplate:厚めの電気メッキでコーティングされた製品。
たとえば、上の写真では「24KGP」と記載されています。この場合、「24KGP」は純金(24金)を薄くコーティングしていることを意味します。
しかし金メッキ商品には刻印がない場合もあります。
刻印が義務付けられているのは本物の金(純金や合金製ジュエリー)」で、金メッキは必ずしも対象ではありません。
特に安価なアクセサリーや海外輸入品では刻印なしで販売されていることがあります。

経年により刻印がよく見えなくなっているケースもあり、本物の金なのかメッキなのか迷うこともあります。偽物のだったらどうしよう?
しかし、買取店では金メッキの買取も可能なため一度査定してもらうことをお勧めします。
金とメッキはどれくらい価値が違う?
金メッキ商品でも、表面には薄く金がコーディングされているのだから多少は価値があるのでしょうか。
金の値段
金の価格は 1gあたりの国際相場で決まります。
24K(金100%):約9,500〜10,000円/gとなります。ネックレスの重さは約5グラムのため金のネックレス1本で5万ほどになります。
ただしこの金額はもちろん金に対しての金額のためその上に加工費、ブランド料、販売手数料や利益などが上乗せされて販売されます。
そこで実際に金と金メッキ製品では同じものでもどれくらい価値が異なるのでしょうか? 有名ジュエリーの金とメッキのネックレスを比較したいところ。
海外の有名ジュエリーメーカーでは金の装飾品とは別に、ファッションブランドとしてメッキアクセサリーを販売しているブランドもあります。
しかし日本のジュエリーブランドだと余り情報がないためAmazonで販売されている喜平ネックレスで金とメッキのネックレスを比較してみましょう。
喜平ネックレスとは、鎖のコマを平らにして編んだチェーン構造のデザインネックレス。ちなみに喜平ネックレス18KではAmazonで約10万円で販売されていました。
参照:喜平金ネックレス
メッキの値段
一方で、喜平デザインの金メッキネックレスは、本物の金製ネックレスとはまったく異なる価格帯で販売されています。
金の輝きを手軽に楽しめる金風(きんふう)な装飾品として人気があり、通販サイトなどではおおよそ2,000円前後という非常にリーズナブルな価格で購入できます。
素材は真鍮やステンレスなどの金属にごく薄い金をコーティングしたもので、見た目は本物の金のように輝きますが、金の量はごくわずかで資産的な価値はほとんどありません。
そのため、金メッキの喜平ネックレスはファッションアクセサリーとして気軽に楽しむ目的で販売されているものがほとんどです。
参照:喜平金メッキネックレス
買取可能な金メッキ対象商品
金メッキ自体には価値が無くても、ブランド商品であったり、何らかの加工品である場合は価値があります。買取可能な金メッキ商品をまとめました。
ファッションブランド品
高額買取が期待できる金メッキ製品は、ブランドの価値やデザイン性によるものです。
特にエルメスやシャネルなどの高級ブランド製品は、そのブランド価値によって高額な買取が期待できます。 金メッキ自体には価値が無くても、ファッションブランド独自のデザイナーや素材、職人技やブランドでつくられたネックレスとして価値があります。
ファッションアイテムとしての需要が高いためです。特に、廃盤になったヴィンテージ品や人気コレクションシリーズなどは中古市場でもコレクターの間で人気があり、金メッキでも思わぬ高額査定となるケースがあります。
つまり、金の価値ではなくブランドの価値で買われるのが、こうした製品の特徴なのです。
メッキが付属として使われてい宝飾類
金メッキの指輪でも、ダイヤモンドやルビー、サファイアなどの高価な宝石が施されている場合は、素材価値以上の買取が期待できます。
金メッキ自体の価値はほとんどありませんが、宝石の品質や大きさ、カットの美しさによって査定額が大きく変わります。
また、ブランド物やデザイン性の高いジュエリーであれば、希少性や人気度も加味され、さらに高額査定につながることがあります。
つまり、金メッキ部分は装飾としての役割にとどまり、買取額の主な要素は宝石やブランド価値になるのです。
金メッキ+宝石の組み合わせは、単なる金メッキ製品とは異なり、ファッション性と資産価値が両立するジュエリーとして扱われます。
優勝カップ

場所を取って邪魔となったゴルフコンペの優勝カップや、スポーツ大会・文化競技で手に入れたトロフィーやメダルなども、当店ではしっかりと買取対象としております。
「まさか、こんな記念品まで買い取ってもらえるんですか?」と驚かれるお客様も多く、実際に持ち込まれた方々には大変喜んでいただいております。
これらのアイテムは、一見すると単なる思い出の品に見えますが、材質に金属が使われていたり、デザインや希少性が評価されれば、査定額がつく場合があります。
また、記念品としての価値に加え、リサイクルや再利用の観点からも買取が可能ですので、不要になった賞品や思い出の品を手放す際にも安心してご利用いただけます。
実は本物の金だったケースも
遺産相続の形見として受け継いだ金色のネックレスが実は本物の金だったというケースもあります。そのような場合、高額買取が実現し、お客さまからは「このお金で海外旅行に行きます!」とお喜びの声をいただいたこともあります。
捨ててしまうとただのゴミですが、売ればお金になります! 処分する前に、まずは買取店に持っていって査定してもらいましょう!
金の資産価値
ところで金といえば資産としても非常に価値があるのは皆さんもご存じの通りです。
テレビやドキュメンタリーなどで資産家や投資家などが金の延べ棒を金庫などに保管している様子を見た方はあると思います。
株式や不動産、通貨などは、が急落しても、金は「安全資産」として売買されます。
通貨などは世界情勢や経済状況、企業業績などの影響を受けて価値が大きく上下することがあります。
特に株式や通貨が急落した場合、現金や株券として保有している資産の価値は瞬時に減少してしまうこともあります。
こうしたリスクを回避するため、金の現物保有は安全資産として長年重宝されてきました。
例えば、日本円やドルなどの通貨で資産を保有している場合、簡単に使える反面、インフレによって通貨の価値が目減りするリスクがあります。
物価が上がれば同じ1万円でも買えるものが減り、実質的な資産価値は減少してしまうのです。
金の現物保有はリスクヘッジとして有効なのです。
金はインフレや通貨安でも価値が比較的安定していて世界中で価値が認められている現物の安全資産なのです。
金の物理的な特性も現物保有に適しています。
金は錆びず、酸化や腐食に強い金属であり、長期間倉庫や金庫で保管しても品質がほとんど劣化しません。延べ棒や金貨などの形で保管すれば、温度や湿気など関係なく何十年、何百年と価値を保ったまま保存することが可能です。
そのため、歴史的にも王族や国家、富裕層が金を安全資産として保有してきた背景があるのです。